ほうじ茶には、茶産地の暮らしと、素材を余さず生かす知恵が残っています。一方で、碾茶系の原料、浅い焙煎、水出し、ラテ、菓子や料理など、新しい楽しみ方も生まれています。
文化は、昔の形をそのまま保存するだけでは続きません。受け継いだものに、その時代の人が新しい意味を見つけ、日常へ取り入れることで次へ渡っていきます。
桶力茶店は、昔ながらの濃く香ばしい一杯も、これまでにない華やかな一杯も、同じほうじ茶の世界として紹介します。茶農家の知恵と飲み手の発見が出会うところに、次の茶文化が生まれると考えるからです。
ほうじ茶見聞録も、完成した事典ではありません。畑で聞いたこと、店頭で気づいたこと、一杯から生まれた言葉を重ねながら、これからのほうじ茶を記録していきます。